創業支援を行っている機関と特色

1.創業支援を行う窓口

国、都道府県などでは、専門家と相談できる窓口を設けています。

「創業したいけど、何から始めればいいのか、基本的なところが知りたい。」、「アイデアをかたちにしたい、このアイデアはビジネスとして成り立つのか知りたい」など創業の前の課題は漠然としているものです。そんなときは、創業のための課題や問題点をはっきりとさせ、アイデアを実現するためには何をやるべきなのか、専門家と相談し具現化する必要があります。そのために、国、都道府県、商工会議所などでは、専門家と相談できる窓口(支援センター)を設置しています。

2.独立行政法人中小企業基盤整備機構

 中小企業者その他の事業者の事業活動に必要な助言、研修、資金の貸付け、出資、助成及び債務の保証、地域における施設の整備、共済制度の運営等の事業を行い、もって中小企業者その他の事業者の事業活動の活性化のための基盤を整備する。(機構法第4条)ことを目的としています。業務の内容は幅広く、中小企業大学校、小規模企業共済、中小企業退職共済の運営を中心に様々な事業を行っています。

 その中の一つとして、創業支援も行い、起業、新事業展開や自社の経営革新、さらに製品・サービスの販路開拓など、企業の未来を切り開くための活動を総合的にサポートするとして、次のような活動を行っています。


起業相談
開業に必要な手続き、資金調達、事業計画作成など起業に関する相談を全国9か所の地域本部で対面相談を行う他、電話での相談も行っています。

インキュベーション・オフィス
起業家の育成や、新しいビジネスを支援する施設を全国で32施設運営し、様々なタイプの事業スペースを起業家などに向けに賃貸しています

ビジネスマッチング
新価値創造展(中小企業総合展)などの展示会・商談会や、Webを活用したマッチングシステムなどを通じて、販路開拓や資金調達を支援しています。

J-Net21
ホームページの中に「起業する」のページを用意し、「起業された方の事例紹介」「業種別の業界動向と留意点」など情報提供を通じて、創業を志す方をサポートしています。

 

3.都道府県中小企業支援センター

 都道府県等の中小企業支援事業の実施体制の中心として、中小企業者の経営上の課題、資金調達等に関する相談など各種相談に対応する窓口相談、専門家派遣、セミナー・研修の開催等の各事業を実施しています。また、ベンチャーや中小企業からの求めに応じ事業の有望性、技術の先進性、ノウハウの独自性など事業の可能性について審査、評価をしています。現在、中小企業支援センターが都道府県と13の政令市に設置された60か所に都道府県等中小企業支援センターが設けられています。

 東京都中小企業振興公社では、創業を予定している方や創業後間もない方に向けて各種創業支援の事業を行っています。具体的には、中小企業診断士・社会保険労務士などの相談員が会社設立。登記、融資・助成金、販路拡大などの幅広い分野の相談に対応する「ワンストップ総合相談窓口」、創業を円滑に進めるためのセミナーとして「TOKYO創業塾」の開催や低廉な家賃のインキュベーション・オフィスの提供などを行なっています。

 都道府県等中小企業支援センターは、都道府県等ごとの自主事業に位置づけられ、都道府県ごとに異なる中小企業支援を行っています。

4.商工会議所

  商工会議所は、全国514か所に置かれ、中小企業団体等としての意見の公表・具申・建議、調査研究、証明・鑑定・検査、技術や技能の普及・検定、取引の仲介・あっせん、貿易振興などを行っている機関です。

 創業・起業には、業種・業態選びからビジネスプラン・事業計画書の作成、資金調達、会社設立のための手続きなど、さまざまな準備が必要となります。

 東京商工会議所では、商工会議所の事業の一つして東京都と協力しながら、創業・起業を志す方向けに安価・無料で利用できる様々な創業支援を行っています。その一つである「相談員・専門家による無料相談」では、「創業・起業するための手続きが分からない」「創業時に使える公的融資制度を知りたい」など、さまざまな創業・起業時の課題を相談することができます。また、会社設立や制度融資、助成金の種類・手続の案内、創業計画書の作成方法など専門家が対応しています。

 また、創業に必要な知識を体系的に学ぶことができる「創業・起業セミナー」や「創業ゼミナール」「創業塾」、創業者同士の「創業者交流会」を開催し、創業準備を応援。さらに、東京商工会議所と東京信用保証協会との提携融資制度「創業支援融資保証制度」など、様々な支援メニューを用意しています。

5.日本政策金融公庫

 創業の実態に関する調査(平成26年12月、東京商工会議所)によると、創業に際して相談した内容・相談したかった内容で最も割合が高いのが、「資金調達の方法」であり、新規開業資金の平均額は1195万円(日本公庫の「2013年度新規開業実態調査」)となっており、この新規開業資金をいっぺんに準備することのハードルはかなり高いものがあります。

 その創業資金融資を積極的に行っているのが、日本政策金融公庫の国民生活事業で、中小企業の経営の安定と成長を支援しています。

 創業前及び創業後間もない方向けに、全国15か所に「創業支援センター」を設置し創業者向けの窓口相談(平日)を行うとともに、全国6か所のビジネスサポートプラザでは「土曜・日曜日無料相談」を開催しています。

 ホームページのTOPに「創業お役立ち情報(創業者の方へ)」を公表し、「創業時に利用できる融資制度(一例)」、「創業者のためのお役立つ情報」そして「申込時に必要な書類・資料請求(無料」」のページが用意されています。また、創業前及び創業後間もない方に役立つ経営情報を満載した「起業家応援マガジン」を毎月配信しています。

6.信用保証協会

 信用保証協会は、信用保証協会法によって設立される公益法人で、中小企業が市中金融機関から融資を受ける際に、その債務を保証することで、中小企業の資金繰りの円滑化を図ることを目的としています。信用保証協会は各都道府県に1協会ずつ存在するほか、横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市にはその市を対象範囲とする信用保証協会が存在し、全国で51の信用保証協会があります。

 東京保証協会には、専門の部署として「創業アシストプラザ」では、創業前または創業まもない方向けに「金融支援」と「経営支援」の両面を総合的に支援しています。

 窓口相談では、「保障制度の利用方法が分からない」、「創業計画書の書き方が分からない」などの相談を、創業後も創業保証の利用や返済方法の変更など相談を受けつけています。

 また、経営支援部では、創業に必要な知識を学ぶことができる「公開講座」やゼミナール形式での創業に必要な知識を学べる「創業スクール」を定期的に開催しています。

7.市町村が行う地域創業支援

 平成25年6月に閣議決定された「日本再興戦略」では、地域の開業率を引き上げ、雇用を生み出すため産業の新陳代謝を進めていくことが示され、日本の開・廃業率を欧米レベル並みの10パーセント以上になることを目標としています。

 それに伴って、地域の創業を促す観点から、産業競争力強化法では、市町村が各地域の商工会・商工会議所などの支援機関や産業競争力強化法に基づき認定を受けた創業支援事業者と連携し、創業に必要な基本的知識からビジネスプランの作成支援までを実施

する「創業スクール」の開催など創業支援を行う地域創業促進事業が42都道府県177市町村で実施されています。

平成28年9月 瀬上富雄

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